硬質クロムメッキ

メッキ特性

硬質クロムメッキ処理をすることにより、以下の様な性能向上が見込まれます。

  • 耐摩耗性の向上
  • 耐腐食性の向上
  • 耐焼き付き性の向上
  • 離型性の向上
クロムメッキの一般的傾向

スーパークロムメッキ

メッキ特性

硬質クロムメッキ以上の耐摩耗性があります。

(左)従来のクロムのクラック密度 (右)スーパークロムのクラック密度

無電解ニッケルメッキ

メッキ特性

無電解ニッケルメッキ処理をすることにより、以下の様な性能向上が見込まれます。

  • 耐摩耗性の向上
  • 耐腐食性の向上
  • 非磁性皮膜としての利用
  • 装飾性の向上
  • はんだ付け性の向上
熱硬化処理に於ける皮膜硬度の変化

図 メッキ液供給メーカーのカタログ掲載値

消臭抗菌機能メッキ(ゼオライト分散ニッケルメッキ)

ゼオライトとは

ゼオライトはシリカ(ケイ素)【Si】とアルミニウム【Al】が酸素【O】を介して結合した化合物です。化学構造的には図2の示しますように立方体形状をしており、その内部に隙間を持っております。通常はこの隙間にナトリウム【Na】を持っておりますが、このナトリウム【Na】は他の元素に置換が可能です。

図1 ゼオライト構造式 図2 ゼオライト立体構造 図3 ゼオライト電子顕微鏡写真
分散メッキとは

ニッケルや鉄、銅などのメッキ皮膜は炭化ケイ素【SiC】やアルミナ【Al2O3】窒化ケイ素【Si3N4】などの硬質粒子を皮膜中に取り込みやすい性質を持っています。これら硬質粒子をめっき皮膜中に取り込むことで従来のめっき皮膜の性質(耐食性や耐摩耗性など)に炭化ケイ素等の硬質粒子が持つ性質(硬さや潤滑性など)を付与することができます。このような性質を用いてニッケルめっき皮膜中にゼオライト粒子を取り込ませました。

ゼオライト分散ニッケルメッキ皮膜外観

通常のニッケルメッキ皮膜に比べると若干半光沢な外観です。
メッキ処理を行った鉄板は溶接可能です。

図 ゼオライト皮膜外観(左) 皮膜顕微鏡写真(右)

ゼオライト分散ニッケルメッキ皮膜の消臭・抗菌機能

ゼオライトをニッケルめっき皮膜に取り込むだけでは消臭・抗菌機能を発揮することはできません。上記に示しましたようにゼオライトは分子構造内部に隙間を持っており、そこに通常はナトリウム【Na】を取り込んでおります。このナトリウム【Na】を銀【Ag】に置換することで銀【Ag】の持つ強力な抗菌・消臭機能を発揮することができるようになります。

ゼオライト分散ニッケルメッキ皮膜の消臭抗菌試験データ
【アンモニアガス】【酢酸ガス】消臭試験

30分間でアンモニアガスは初期濃度の95%まで消臭。酢酸ガスは初期濃度の98%まで消臭。
※理論上、消臭性能は(皮膜がある限り)半永久です

図 アンモニアガス消臭試験結果(左)酢酸ガス消臭試験結果(右)

【黄色ブドウ球菌】【大腸菌】抗菌試験

黄色ブドウ球菌、大腸菌とも24時間までに全て死滅
※理論上、抗菌性能は(皮膜がある限り)半永久です

図 黄色ブドウ球菌試験結果(左)大腸菌抗菌試験結果(右)

期待される用途
  • 浄水器、給湯器缶体内壁
  • 業務用冷蔵庫内壁
  • トイレ側壁
  • 病院の階段手摺り等

ナノダイヤモンド分散複合メッキ

ナノダイヤモンドとは

私たちが用いているナノダイヤモンドは5nmと世界一小さなダイヤモンド微粒子です。 図1はその電子顕微鏡像です。一次粒子は単結晶構造をしており、 1gあたりの比表面積は 300-400㎡ もあります。 購入したナノダイヤモンドはそのままでは水に対しての分散性が悪く水中に懸濁させても数時間 で沈降してきますが、特殊な前処理を行う事で図3に示しますように驚異的な分散性・親水性が 得られます。

図1 NaDa(ナノダイヤモンド)顕微鏡写真    図2 NaDa粉末           図3 NaDa水中懸濁後

複合分散メッキの仕組み

「硬さやすべりやすさなど、さまざまな特徴をもつ微粒子をめっき皮膜の中に取り込ませることで、その微粒子の特徴や性質をメッキ皮膜に付与することができる」 というのが複合分散メッキです

ナノダイヤモンド複合分散メッキ皮膜の期待物性

ナノダイヤモンドをメッキ皮膜中に取込む事により期待できる物性として挙げられるものは 耐摩耗性、固体潤滑性、離型性、硬度上昇等があります。 ボールオンディスク式摩擦試験器での摩擦係数測定では軽加重・無潤滑条件下でクロムメッキ皮膜よりも小さい摩擦係数が確認されています。 メッキ液1㍑あたり10gのナノダイヤモンド添加で最大14vol%の共析量が確認されています (図4参照)

図4 ナノダイヤモンドのめっき液中への添加量とめっき膜中への共析量

図5 ナノインデンターによるナノダイヤモンド複合分散めっき皮膜の硬度測定結果

ナノダイヤモンド複合分散めっきが可能なもの

通常は無電解ニッケルめっき、電気ニッケルめっきでナノダイヤモンド複合分散めっき処理を行っていますが、そのほかのめっき皮膜種として以下のものがあります。

【無電解メッキ系】

  • ニッケル-リンメッキ皮膜
  • ニッケル-タングステン-リンメッキ皮膜
  • コバルト-リンメッキ皮膜

【電気メッキ系】

  • ニッケルメッキ皮膜
  • ニッケル-タングステンメッキ皮膜
  • 銅メッキ皮膜
  • 鉄メッキ皮膜
  • 三価クロムメッキ皮膜(要相談)
期待される用途
  • ヒンジなどの軽荷重摺動部品
  • MEMS(微小アクチュエータ等)関連部品
  • 軽荷重下、オイルフリーで稼働させる機構部品
  • DLC等では成膜が難しい複雑形状の部品
  • 通常の無電解ニッケル-リンメッキ皮膜よりも高い硬度が求められる部品
  • その他、摩擦の低下によるエネルギーロスの減少、耐摩耗性の増加が求められる部品

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